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魔法学園デル・トリエルタの最底辺クラス、通称クラスゼロに所属する青年ギル=ベルクルスには秘密があった。実技試験で前代未聞の高得点を叩き出し、筆記試験で前代未聞の低得点をブチかました黒髪黒眼の青年にはとある秘密があった。悠々自適に拳を握りしめ、阿呆な白髪の少女を引き連れて、毎日のようにトラブルに巻き込まれるその青年には、絶対にバレてはいけない秘密があった。
それは彼自身のその正体。
彼が最強にして最凶にして史上最悪の大魔王――ギルベルク=ギスカードそのものであること。
これは強くなりすぎた魔王とその仲間、そして弱さをひた隠す女勇者たちが織りなす愉快で大げさで、どこか曖昧な物語。
「ギル様ギル様! ギル様は何故ギル様なのでしょう! 私気になって夜しか眠れません!!」
「いや親に聞いてくれよ……」
登録日 2018.10.06
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