りんご

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君と僕のヘイコウセン 連載中です
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青春 連載中 長編
─私たちはヘイコウセンだよ。─ 僕は彼女の言葉に疑問を抱いた。 ─ヘイコウセカイとかパラレルワールドとかの話?─ 彼女は言った。繊細で、優しくて、あたたかな口調で。 ─だって...私と君は...だか...─ 聴こえない。 おいてかないで。 ヒトリニシナイデ。 高校生最後の夏休みが始まる。 大抵の生徒にとっての天国の前には校長や学年主任などが、毎年同じ言葉を並べていく。 そんなくそつまらない話でも、夏休み前で気分が上がっている生徒は、意外と真面目に聞いている。 それがこの学校のルールだ。 そんな先生の話を、横目に僕は8年前、小学四年生の頃を思い出していた。 ─そうだ。僕は目が覚めたら、周りには魚と海藻と... 何がいたんだっけ。─ あの日は、とても暑い日で、お盆だったんだっ。 何も無い祖母の家に遊びに行ったのを、覚えている。 祖母の家から抜け出して、沖に出て、それから。 溺れて? (あぁ。いつもこうだ。大切なもの。人を。忘れていく) 「もう少しなんだよなぁ」 そう呟いた言葉に返事が帰ってきたのはすぐだった。 「お。やっと意識戻りましたか?妄想ボーイ」 「るっせぇ。」 この学校に来て初めて話した奴がこんなに、付き合い長くなるとは思わなかった。 こいつ、冴樹 和優は唯一の心開ける友人の一人だ。 ヒトリ ─初めから独だったかも。─ 「なぁ。お前さ」 (─俺のこと忘れたらどうやって思い出す?) 言ってはダメな気がした。 「よく妄想ボーイって言うけどまじあれ、やめろよな」 「お似合いだろ。」即答かよこいつ。 覚えとけよ。 途切れもしない。細くもならず、太くもならない。曲がらない。 そんな平和な線が、好きだった。 ─好きだったのに。─
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文字数 685 最終更新日 2018.09.11 登録日 2018.09.11
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