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 王都で莫大な権力を持つ四大貴族が一つ、火属性を司るフラムス家の長男として生まれたアラン=フォン=フラムスは神童であった。  剣術、魔法、勉学、全てにおいて人類史上類例を見ない圧倒的な天稟。並び立つ者等居らぬ程の天賦。  そんな将来を約束された人生勝ち組な彼。しかしある日、前世の記憶を思い出す。  そして数年後、彼は遂に――――気付いた。  「あれ? これ俺見事に踏み台転生者じゃね?」  ふと周りを見てみれば、目に飛び込んでくる。  『火を司る一族に生まれながらも魔法の使えない、見たことも聞いたこともない髪と瞳の色を持つ弟』、『そんな弟を迫害し見下す人間達』、そして『特別な才を持ちチヤホヤされた挙句、調子に乗りまくっている自分自身』――――  ――――ああ、そうかい。  これが世界の選択、世界が決めた運命であるのならば。やってやろうではないか。俺は俺に課せられた役割(ロール)を全力で全うしよう。  「――――真の踏み台を見せてやる」  これは、誰よりもストイックな踏み台転生者が紡ぐ英雄譚。
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登録日 2019.01.09
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