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「……おかんと娘? いや高校生の男女でしょうが!? 思春期真っ盛りのお年頃でしょうがッ!?」 ――by とある外野の意見 私立有斐丘学園に通う男子高校生・憂木敢介はおかんである。 幼なじみの女子高生・和登伊恵理のおかんである。 ……何を言っているのか解らないと思うが、たぶん本人たちにもうまく説明できないに違いない。 〝おかん〟というのは、つまるところ伊恵理の世話を焼く仕事だ。 三食のご飯を作ったり、部屋の掃除をしたり、衣服や下着を洗ったり。 それと、良いことをすれば褒めたり、悪いことをすれば叱ったりも。 敢介の方にはまるで見返りがない気もするが、世の〝おかん〟という職業はそういうものなのだから致し方ない。 伊恵理の笑顔、プライスレス。それさえあれば、他に何も要らない敢介なのだった。 家族よりは遠く、それでいて、他人よりは近く。 これまでもずっと、そんな距離で生きてきた。 これからもきっと、そんな距離で生きていく。 そう、信じて疑わない日々――。 しかし転機は突然訪れる。 それは、敢介へ宛てられた一通の手紙。 「お、おかんにラブレター……うらやまけしからん!」 「うらやましがれるのはともかく、なぜお前にけしからんと思われなければならないんだ」 友人とは違う。恋人でもなければ、ましてや家族ですらない。 名前を付けることさえできないほどに、その絆は強くも脆い。 だから二人は問われることになる。互いを思いやるその心の、本当の形を。 ――変わらないでいるために変わっていく、学園青春ポリティカルプレイ! ※「小説家になろう」・「カクヨム」にも掲載しています
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文字数 30,028 最終更新日 2020.06.14 登録日 2020.06.09
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