鏡狼

鏡狼

鏡に狼とかいてきょうろう、と読みます。 私はオリキャラなりちゃが好きでその子達の物語を小説にして書いています。妖怪物、恋愛物等。興味がある方はぜひ読んでみてください。よろしくお願いします。
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目の前にそびえ立つ、大きな学院。季節外れに桜が舞い散り、花びらが頬を掠めては瞳を細め、門をくぐる。私の他にも新入生がいる。それらは人間に混ざる妖と言う者も沢山いた。 獣の形をしたもの、人の形をしたもの。また、人間も沢山いる。 まぁ、私も人のことは言えないが、ここでは妖でもなく人間でもない異形の者に分類されるだろう。 橙色の瞳に赤に近い橙色の長い髪、真新しい制服にはそぐわない黒い刀。 周りの視線を感じながらも校舎に入る。 教室に着くと私は指定された席へと向かい静かに腰掛けてはぼんやりと外を眺める。大きな桜の木がとめどなく花弁を散らし風に揺れていて、その下に長い黒髪の女がいることに気づいた。その女は確かにこちらを見てにこりと薄ら笑いを浮かべて黒い猫と共に立ち去る。 何故私を見た? 訝しげに眉を寄せてはそちらを睨み、教師の声に目を移した。 あの女に出会わなければ、私はきっと、変わらず1人だったんじゃないだろうか。そんな予感が胸をざわつかせていた……。
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文字数 2,871 最終更新日 2019.08.07 登録日 2019.03.12
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