「虫を喰って、生き延びろ!」
ひょんなことから知り合った与一は、僕らに昆虫食をすすめてきた。冗談かと思ったが、彼は真剣だった。単なるゲテモノ趣味ではないようだった。将来的に人類がおちいるであろう食糧危機や、宇宙船での食糧の確保を見据えていた。いや、そんな遠い未来ではない今現在であっても、昆虫食が地球環境に良い影響をもたらすのだと、彼は力説するのだった。半信半疑ながらも、日頃から「食」へのこだわりを持つ僕は、じわじわと魅了されていく。やがて「虫喰いフェスティバル」なるパーティに参加することになった。