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SF 連載中 短編
2320年、人間の9割以上が、とっくに地球から離れ、宇宙に生まれ、暮らし、子を生み、そして死ぬようになった、ガンダムっぽい感じの頃。 二つの勢力が、木星のヘリウム3の採取を巡って熾烈な争いを繰り広げている中、 軍事要塞に暮らす民間人の間では、その宇宙空間特有の交通の不便さから、 料理などを直接店から玄関先まで届ける、小型配送サービス『ジャオフー』の普及が急速に進んでいた。 これは、ある一人のジャオフー配達員の一日を記録した、罪と挫折の小さな物語である。 俺はジャオフーの配達途中によそ見をして、前の小型船に追突事故を起こしてしまった。 パイロットに怪我はないようだった。機体の損傷もないように見えた。 おかまを掘られたカプスのパイロットは、俺の方を向いて困惑した表情を見せると、何も言わずに行ってしまった。 どんなに軽微な事故であっても、その場でのポリーツカへの申告は義務だ。不申告は刑が重くなる。 しかし、俺は呼び止めずに、彼が先に行ってしまったのを、これ幸いとばかりに、現場から立ち去ったのだった…。
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文字数 19,146 最終更新日 2020.08.14 登録日 2020.08.14
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