2
青春 完結 ショートショート
N-T
ミーン ミーン ミーン 蝉の音が聞こえ、周りからは夏休みに入った子供たちの声が聞こえる。暑い。 もう世間では梅雨が終わり本格的な夏になろうとしている。そんななか部屋の畳で寝転ぶ男がいる。俺は福岡市内に一人暮らしをしている大学生だ。彼も夏休みに入ったばっかだった。 俺『あー、あっちぃなー、、 大学も休みでバイトも休み。今日は休みを満喫する予定だったがこの暑さではどこにも出たくないな 』 そんなことを呟いては布団の上でごろごろ寝返りを打っている。そして、ふと目をつぶると脳裏に浮かぶ、忘れたくないでも忘れたい思い出。 数年前、今と同じぐらい蒸し暑かった日。高校三年生だった俺はある子に好意を抱いていた。その子は目立つタイプではないが男女共に仲が良く、笑顔が愛らしいその子はクラスのみんなから好かれていたと思う。そして、陰ながらに好意を持っていたやつは少なくはなかった。 その中でも俺は本気でこの子に恋をしていた。きっかけはない。ただの一目惚れ。授業中にふと周りを見渡した時に気がついただけ。それでも、俺は好きになってしまった。同性の『男の子』を。 誰にも言えなかった。言うつもりもなかった。それでも、伝えたいと思った。でも、そんな勇気なんてなくってただただ日々が通り過ぎていく。次の日に彼は好きな子ができたらしいと噂になった。相手は隣高校の女子。今週中に告るらしい。そんなことを聞いた俺は 『あー、、、やだなぁ 』 なんて考えてると彼が話しかけてきた。 彼『なに不満げな顔してんの笑 悩みあるなら聞いてやろうか?多分俺の事なんだろうけど 』 俺『 悩みなんてねーし!、てかなんで』 彼『お、当たり? 』 俺『は、 』 彼『気づいてた。お前から向けられる視線が他の奴とは違うこと。最初は気のせいかと思ってたけど、だんだん確信に変わってった。 』 俺は思考が停止した。何を言えばいいのか、否定をするべきか悩んでいたが彼はそんなことお構いなしに話し続けていた。 彼『で、どうしたい?今気づいた理由話したけど。おまえはどーしたい、? 』 伝える気なんてサラサラなかった。でも、伝えたいと心から思ってしまった。 俺『お前が言った通り俺はお前のことが好き。付き合いたい。 』 彼『 』 俺は心の中で振ってくれと思っていた。理由ははっきりとしている。好きになった子には普通の恋愛をして欲しいと思うから。この気持ちは俺の心の中に入れとくから、だから、振ってくれ。 そう思いながら彼を見ていると、彼は泣きながらきょうしつを出ていった。これでも良かったんだと俺は思った。これが正解なんだと、、 昔のことを思い浮かべながら俺は目を覚ます。昼の14時。そろそろ活動開始かなと思い重い腰を上げ、外に出る支度をした。汗を流し、髪をセットし精一杯のオシャレをして彼に会うために俺は外に出た。
24h.ポイント 0pt
小説 194,095 位 / 194,095件 青春 7,019 位 / 7,019件
文字数 1,154 最終更新日 2021.07.16 登録日 2021.07.16
ミステリー 完結 ショートショート
N-T
―ある日変わった。今までの日常が壊された、殺された。ある『者 』によって。 私は東京都内に住む高校三年生。受験シーズンも終わり次々と内定を貰っている子も増え、残りわずかの高校生活を満喫してる。私もその中の一人だ。 放課後 友達『 ねぇねぇ、卒業旅行どこ行くか決まった?私さ、家族で鹿児島県行くんだよね!』 私『へぇ、いいね!鹿児島県かぁ、、。行ったことないなぁ 』 友達『私も初めて行くんだ!あ、そうだ!お土産楽しみにしててね! 』 私『 わかった!期待しとく!』 そっか卒業旅行かぁ。忙しい日々が続いていたから忘れてたなぁ、、。私も行ってみようかなひとり旅!だけど、どこ行こうか、。…そうだ!北海道行こう!そうと決まれば準備してっと、! 当日 電車の音『 プシュー』 ガタンゴトン ガタンゴトン わぁ!!新幹線速い!景色も綺麗!駅で買ったお弁当も美味しい!!楽しいづくしだ!、、なんてね。楽しいのも美味しいのも本当のことだけど、私はもう家にも元の場所にも帰らない。いや、帰れないのだ。それは何故か。理由は明確だ。私が殺人鬼だからだ。でも私自身は殺してない。私の中にいるもうひとつの人格が殺したのだ。友達、家族を。 昨日 私は友達と他愛のない話をしていた。その友達は鹿児島県に卒業旅行に行くらしい。お土産も買ってきてくれるって。いいなぁ嬉しいなぁ、、あ、? 私『、、あれ、何してたっけ?、、!え、なにこれ、。 』 気づいた時にはみーんな死んでた。家族も友達もなにもかも。 私は怖くなって逃げだした。行く予定のない、どうやって準備したのか分からない荷物を持って新幹線に乗った。このままどうやって生きればいいか分からない。死に場所を探すべきか。浮遊物のように歩くか。そんなことを考えながら私は今も殺してる。 あの日のせいで私は『犯罪者 』になり『殺人鬼 』となった。あの日に覚めた人格によって私の日常が壊され殺された。 アハハ!!! タノシイナァ、、、
24h.ポイント 0pt
小説 194,095 位 / 194,095件 ミステリー 4,324 位 / 4,324件
文字数 808 最終更新日 2021.07.14 登録日 2021.07.14
2