典型的な政略結婚をした俺のその後。1
ドルマキア王国の歌劇団に所属する売れない役者・ジェイド。 裏では誰にでも成り代われる『身代わり屋』として活躍していた。 そんなジェイドのもとに、王宮から近衛騎士団長であるユリウスが訪れ、 ある依頼を持ちかける。 それは、「失踪した側室・ジェラリア王子に成り代われ」というもの。 半ば脅しのような形で仕事を請け負ったジェイドだが、 彼には誰にも言えない秘密があって――
典型的な政略結婚をした俺のその後。2
誰にでも成り代わる「身代わり屋」として活躍するジェイド。彼はドルマキア王国の近衛騎士団長ユリウスの依頼によって再び表舞台に立たされた。実はジェイドの正体は、王太子の消えた側室ジェラリア。さらにドルマキア王弟の血を引く事実が明らかになったせいで王位継承権を得てしまったという。一度はドルマキアを離れていたジェイドだが、迎えに来たユリウスの手を取り、またもや因縁の地へ足を踏み入れる。だが訪れた王宮で待っていたのはかつてジェイドを虐げた王妃が失踪したとの報。調査のためユリウスは王宮を離れ、一人残されたジェイドの前に隣国ダンガイトの王子ルイードが現れる。彼はジェイドを我が物とするため恐ろしい策を巡らせ――
典型的な政略結婚をした俺のその後。
祖国を守るため、大国ドルマキアに側室として差し出された小国の王子、ジェラリア。彼を待っていたのは、側室とは名ばかりの過酷な日々だった。しかし執拗な責めに命すら失いかけたある時、ジェラリアは何者かの手で王宮から連れ出される。それから数年――ジェイドと名を変えた彼は、平民として自由を謳歌しながら、裏では誰にでも成り代われる身代わり屋として活躍していた。そんなジェイドのもとに、王宮から近衛騎士団長であるユリウスが訪れ、ある依頼を持ちかける。それは、「失踪した側室ジェラリアに成り代われ」というもの。自分自身に成り代わる、という奇妙な仕事を請け負ってしまったジェイドは、次第に捨てたはずの過去の幻影に囚われていき――