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国に相応しい王は自分ではない。自分を次期王と認めない奴等の顔色を伺うのも囁かれる悪意にもうんざりだ。
適任者は他にいるというなら、その人がやればいいんじゃない?
古いしきたりや王家の血筋だからと周囲から祭り上げられる傀儡人生にも嫌気が差したロアルド・ジェルツは思い切って王位継承を捨て、国を出る覚悟を決めた。
時折逢瀬を重ねていた恋人と遠く離れた土地でひっそりと暮らせれば、それでいい。
しかし、そんな希望すら新しく王座についたベルガは赦さなかった。
彼は恐れていたのだ。
自分が再生した国にひょっこり舞い戻ってくるのではないかという不安を排除する為に、ロアルドの恋人を人質として自分の第二夫人に据えた。
そんな事とも露知らず、ロアルドは旅立ちの日に約束の場所に現れなかった恋人にフラれたと勘違いしたまま国を後にした。
そして幾つかの時が流れたある日、物語は動き出す。
自分を慕う仲間と暮らしていた屋敷に現れたのは、かつての恋人……の幽霊だった。
なんでも自分の身体は今も王宮で眠りについているという。
そこで明かされた数々の真実。
ささやかな幸せを願っただけなのに、それすらも搾取されていたと知ったロアルドがとった行動は?
そんなお話っ!!
文字数 7,275
最終更新日 2025.02.15
登録日 2025.01.02
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