kinoe

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ややミリオタの社会人であります( ´ ▽ ` )ノ 宜しくねー
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暗黒卿《ディストピア》ーー そう、呼ばれた時代があった。 人々は、神と悪魔に翻弄され、さしたる理由もなく争い、屍がただただ増えるのみで、希望という言葉などとうの昔に忘れ去られてしまった時代。 天は轟き、雷を落とし、大地は叫び、灼熱の吐息を溢れさせ震えた。 大気がいたずらに息を吐けば、流れる風は嵐と化して、天は更に嘆き、大粒の雨を落とす。 人々は、それらを時に神と崇め、悪魔と恐れた。 絶望に嘆く彼らの下に、彼の者は現れる。 異世界から訪れたその旅人は、彼等に問うた。 何故、神を恐れる。 何故、悪魔に惑わされる。 神と悪魔の代理戦争の駒となるな、真に闘うべき相手を見間違うな。 神を討ち、悪魔を戒め、己が自由を勝ち取れと……。 その言葉に震え、立ち上がりし英雄達は、超常の者達へ闘いを挑む。 幾人もの英雄の屍の上、人々は異世界の旅人と共に神を討ち取り、悪魔を裁いた。 散り際に旅人は謳う。人々の願い、神を、悪魔を縛る希望の詩を……そして、人々は神魔を使役した。 平和が訪れるーーそう、その筈だった。 新たな力を得た人々は、更なる力を、富を、名声を求めて、愚かにも、また争い始める。 それから、幾年。 時は群雄割拠、大航海時代を経て発見された新大陸は、理想郷と呼ばれ、各勢力が冒険者を雇い、その大地を手に入れんと、未だ争いを続けていた。 流れる血は川を作り、増える屍は山を作る。 欲に呑まれた愚者達は、やがて、希望の詩を己の為だけに使う禁忌を犯した。 それが、血と肉を依り代に常夜の者を呼び寄せ、神と悪魔を目覚めさせる事となるとも
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登録日 2016.01.02
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