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絶望的であったあの時ーー救ってくれた人物がいた。 ただ、その人物は酷く意地悪で気紛れだった。 「また何かを望むなら、自分を見つけて御覧。見つけられるものなら」 意地悪く微笑んで姿を消した。 記憶が曖昧だったので姿はぼんやりとしか覚えていないし、男か女かすらわからない。 ただ一つ。 「メリクリウス」 その名前だけは覚えていた。 これは全てを取り戻そうとする兄と弟の物語。
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文字数 4,402 最終更新日 2020.08.03 登録日 2020.08.03
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