異能捜査員・霧生椋2
白峰荘の人体消失
霊能力者を警察の外部パートナーとして招き事件を解決する「異能係」が発足してから九ヶ月。警察の協力者としての生活に慣れ始めた椋は、事件解決の帰り、「兄が消えた」と警察に訴える女性を見かける。椋と同じく外部パートナーである紫王が、彼女の兄の死を断言したことから、行方が分からなくなったきっかけである肝試しの舞台、廃墟になって久しい旅館へ異能係が捜査へ向かうことに。その途中、肝試しメンバーである大学生から、かつて同じ大学に所属していた亡き姉に関する予想外の噂を聞き動揺する椋。更には、社会人となって椋と共に過ごす時間が取りづらくなり、久々の同行となった同居人の広斗の身にまで危機が迫って……
異能捜査員・霧生椋
緑青館の密室殺人
一家殺人事件の唯一の生き残りである霧生椋は、事件以降、 「人が死んだ場所に訪れると、その死んだ人間の最期の記憶を幻覚として見てしまう」能力が発現し、この能力が突発的に視界をジャックするために自宅から出られない生活を送っていた。そんな中でも友人であり同居人である上林広斗とささやかな平穏を享受していたが、ある日、二人以外で唯一その能力を知る刑事がとある殺人事件への協力を依頼してくる。数年ぶりの外泊に制御できない能力、慣れない状況で苦悩しながら、椋が『視た』真実とは……