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21巻
21-1
しおりを挟むオリジンⅠの半身とされる存在――冥王に会うために、一旦ベイルリヒト王国に向かったシンたち。
そこで彼らは、冥王がいるはずの亡霊平原で異変が起こっているという情報を耳にする。
調査を行う過程で、冥王のいるダンジョンへ突入するシンたち。しかし、ダンジョンを進む中、パーティが分断され、シンはサポートキャラのシュニーたちと離れ離れになってしまう。
ダンジョン最終エリアのさらに奥へと飛ばされたのは、シンと元プレイヤーのミルト、エレメントテイルのユズハの二人と一匹。彼らはそこで、冥王と対面する。そして、彼女からこの世界の秘密と、シン自身に何が起こったのかを聞くことになる。
一方、残されたシュニーたちには、かつての最強ギルド『六天』のメンバーを模したモンスターが襲いかかった。
無事に合流し、モンスターを倒したシンたちは月の祠へ戻り、しばし体を休める。その中で、シンはシュニーに冥王との会話を、そして、今後のことを伝えたのだった。
2時間ほどシュニーと一緒に過ごしたシンは、こっそり彼女の部屋から出た。
冥王から聞いた話をすべて説明すると長くなってしまうので、彼女に関係している部分だけ話して、自分の部屋に戻るつもりだったが……結局そんな雰囲気ではなくなってしまったのだ。
もっとも、2人で一緒に過ごしたと言っても、添い寝をしただけで、何らいかがわしいことはない。それなのに、つい警戒してしまう小心者なシンだった。
その背中に、シュニーが声をかける。
「堂々と出ていけばいいじゃないですか」
「いや、自分で休もうと言った手前、ちょっと罪悪感が」
休んではいる。ただ、自分の都合を押し通したという感が否めない。
「気配でバレていると思いますよ」
「……だよなぁ」
シンたちが拠点にしている月の祠の中は、探知系のスキルやマップ機能などの居場所を探る能力が制限されていない。それなりに密閉性があって素材も高級なので、気配が駄々漏れということはないが、現在月の祠の中にいるメンバーならば、どこに誰がいるかなどすぐにわかる。
シンの行動には、自身を納得させる以外の効果はなかった。
彼は覚悟を決めて部屋を出て、自身の部屋に戻る。
部屋に入ると、ユズハがベッドの上でお座りしていた。シンを送り出した時と同じ姿勢だ。
「おかえり」
「ただいま。もしかして、ずっと待っていたのか?」
「今起きた」
ベッドで寝ていて、シンの気配が近づいてくるのを察して目を覚ましたという。今は子狐の姿だが、中身だけ大人モードのようだ。
「……新しい繋がりできてる。シュニーと?」
「わかるのか。例の、オリジンのドロップアイテムとの一体化がうまくいってな。その時に繋がったみたいだ」
「これで彼女も一安心ね」
シュニーの部屋の方を向いて、ユズハはうんうんとうなずいている。
「姿が消えた時は、不安にさせちまったからな」
「そうじゃない」
先ほどまでとは一転、首を横に振るユズハ。
「違うのか?」
ユズハによると、どうやらシュニーは自分とシンに特別な繋がりがないことを気にしていたらしい。
「いやでも、俺はシュニーを選んだわけだし、指輪ももう少しで完成しそうだし」
シンとしては、特別な繋がりがなくても関係ないと思っていたのだが、そういうものではないと、ユズハはお説教モードだ。
「ユズハはシンと契約してる。これはユズハにしかない繋がり。ティエラも、ここにはいない彼女の存在を通して繋がりがある。でも、シュニーにはそれがない。サポートキャラクターとしての繋がりは、あの子だけのものじゃないから」
ユズハが指摘した通り、エルフのティエラには、シンのかつての恋人であるマリノの能力が宿っているため、ある意味特別な繋がりがあると言えるだろう。
無論、シュニーはシンに選ばれたことを喜んでいる。
しかし、だからこそ彼女は、自分だけの特別な繋がりを求めるのだ。他者が取って代わることのできない、唯一無二の繋がりを。
「もっとシュニーを可愛がるべき」
なんとシュニーは、今まで時折ユズハに相談していたらしい。内面が成長し、ある意味最年長と言えるようになったユズハに、意見を求めたのだ。
「マジか、全然気づかなかった……」
言われてみれば、ユズハは夜間、時折どこかへ行っていることがあった。その時に話をしていたのだろう。
「でも、そういうのは俺に言われてもどうしようもないだろ」
可愛がるという点ではどんと来いと言えるが、特別な繋がりについては、シンには対処のしようがない。
ユズハの場合は、モンスター扱いだからこそ、システム的なものもあって繋がりが持てた。ティエラとの繋がりは、そもそもシンが意図したものではない。
「そこはどうにかするのが男の甲斐性」
とは言いつつも、ユズハの言葉は冗談だとすぐにわかるほど雰囲気や響きが違った。
シンはため息をつきながら返す。
「無茶言うなって……まあ、今回のことで、少しは不安も晴れたかね?」
「くぅ」
大仰にうなずくユズハを見て安堵する一方、もう少し察することができるようにならないといけない、と思うシンだった。
†
ユズハとの会話の後、シンはリビングに向かった。
他のパーティメンバーにも、冥王と対面した際に何があったか伝えなければならない。きっとやきもきしていることだろう。
「待たせたか?」
リビングには、すでにシュニー以外の全員が集まっていた。時間の指定は曖昧だったとはいえ、シンもことさら遅れて来たわけではない。それでもこうして集合しているということは、もしかすると、皆気になって休むに休めなかったのかもしれないと、シンは少し反省した。
「悪い、待たせたか?」
「我らも今しがた揃ったところだ。シュニーはまだのようだが」
「そのうち来るでしょ。飲み物でも用意して待ちましょ」
ゲーム時代のシンのサポートキャラであるシュバイドとフィルマが、気にしていないと答えた。二人ともシンがシュニーと何か話をしたと察しているようで、案外落ち着いている。
同じくサポートキャラのセティは、元プレイヤーであるミルトと精霊を交えながら話をしていた。
ティエラだけが落ち着かない様子で、相棒である神獣の変異種――カゲロウが寄り添っている。
「お待たせしました」
5分ほどして、シュニーもやってきた。
全員の視線が自分に向いたのを確認し、シンは冥王との対談の内容を語り始める。
やはりというべきか、反応が大きかったのは、シンが今いる世界から元の世界へ戻るという部分だった。それを真っ先に伝えることも考えたが、そうすると他の話ができなくなりそうだったので、シンはこの話題を最後の締めとして話した。
「なるほどね。だから間を置いたってわけ」
納得したという風に、フィルマがつぶやいた。
この話題に一番反応してしかるべきシュニーに動揺の色がないことを見れば、フィルマたちにはすぐに察しが付く。
サポートキャラクターの面々は、仕方がない奴だといった様子でシンを見ているが、ティエラだけはジトッとした目を向けていた。こっちはやきもきしていたのに……という心情が、視線とともに突き刺さってくるようだ。
フィルマが続ける。
「それにしても、元の世界に、ね。それってさ。もうこっちには戻ってこないってことよね」
「そうなるな」
「他の人がこっちに来ることもない?」
「それはわからないけど、たぶんないだろう」
もっとも、今こっちの世界に来ているメンツの全員がシンと関わりがあったかと言えば、微妙なところだ。
シンが叩き潰したPK、親交があったプレイヤー。それ以外にも、ある程度の数がこちらに来ているだろう。
その中には、シンとは別の流れでこの世界に来ている者もいる可能性がある。
冥王も、シン以外は本体が死んでいる――ミルトは例外中の例外――ので、シンよりもこちらに来るハードルが低いと言っていた。
もともと、世界と世界の間を〝形のない力〟が多少は循環していたようなので、シンの移動に合わせて魂のようなものが一緒に流れてきてもおかしくはない。
冥王もすべてを知っているわけではなかったので、憶測の一つだと前置きして、その話をしていた。
ただ、シンが向こうに戻れば、そうした力の循環もなくなる。
二つの世界の繋がりは希薄になり、たとえ魂のような曖昧なものであっても、行き来はできなくなる。そうなれば、もう戻ることはできない。
シンはもちろん、一緒に行くシュニーもそうなる。
「そっか。寂しくなるわね」
そうつぶやいたセティの口調に乱れはないが、その表情は少しだけ悲しそうだった。
シンのサポートキャラクターは、ハイビーストのジラート以外は長命種。長い月日の中で、離別や死別は何度も経験しているはずだ。
それでも、親しい相手との別れは、慣れるものではないのだろう。
「でも安心したわ。これでシュー姉を置いていくなんて言ったら、一発ぶち込んでたわよ」
「話を聞いた時は、俺も真っ先に思ったよ。シュニーと離れ離れになるのかって」
残された時間を聞いて、頭を抱えたくなったのは記憶に新しい。
「だけど、そうなると他の子はちょっと辛いわね」
「他の子?」
「ベレットとか、ザジたちとか。皆、いつか主が戻ってくるって信じてるから。実際、シンは戻ってきたわけだし」
ベレットやザジといった、他の『六天』メンバーのサポートキャラたちには、ある意味、諦めかけていたところに希望を見せてしまったとも言える。
たとえそれがシンの意思ではなかったとしても、彼の帰還は、周りには〝そういう風〟に見えているのだ。
「仕方あるまい。もとより、シンが戻ってきたのも偶然が重なった奇跡のようなもの。本来の形に戻るだけだ」
一度得ただけに、手放しがたいが……と、シュバイドは続けた。
当然、セティの言いたいことは、シュバイドだってわかっていた。主を待ち焦がれる気持ちも、それが叶った時の喜びも知っている。
「他の子には言えないわね」
フィルマは首を振って二人を見た。
ベレットやザジたちの心の中で、主との再会がどのくらいの割合を占めているのかはわからない。
もうその願いは叶わないのだと他の『六天』のサポートキャラクターたちに告げることが、良いことなのか悪いことなのか。誰にも判断はつかなかった。
気にしないかもしれないし、絶望してしまうかもしれない。
ただ、誰もが真実を知り、思いを振り切って前に進めるわけではない。
自分たちもそうだっただけに、話すという選択はできないと、フィルマは言った。
シュバイドもセティも、それに反論はしなかった。
「ええと、シンの世界? に一緒に行くには、アイテムと一体化する必要があるって話だけど、それはもう終わってるの?」
重くなった空気を変えようとしたのか、ティエラが質問した。
シンはすぐにそれに乗って答える。
「ああ、もう終わった。もうわかっていると思うけど、さっき休憩をとったのは、それをシュニーに話すための時間が欲しかったからなんだ」
「ふむ、シュニーの様子から察してはいたが、問題はなかったようだな」
静かにたたずむシュニーを見て、シュバイドが言った。
「でも、思い切ったわね。全部投げ出してシンについていくなんて」
「後悔はありません。置いていこうとしたら、こちらから追いかけていったでしょうね」
冗談じみたフィルマの言葉に、シュニーは冗談には聞こえない返答をした。
「シュニーならやるわね」
「うむ」
「納得しかしないわ」
「……ですね」
ティエラを含め、誰も否定しないあたり、周囲がいかにシュニーを理解しているかがうかがえる。
「寂しくなるけど、シュニーが本懐を遂げるなら、仕方ないか」
「うむ、シュニー以外が選ばれていたら大問題であった」
優しげな微笑を浮かべるフィルマに、うんうんとうなずくシュバイド。シンがいなくなることにショックを受けている様子はない。
「あたしはこっちに残ってくれた方がよかったけどなー」
セティはぶーぶーと口を尖らせる。
少しわざとらしい仕草だが、本音なのは間違いなかった。
「それは皆同じよ」
苦笑するフィルマに、シンが応える。
「悪いな。俺としては、本気でこっちに残るつもりだったんだが」
シュニーへのプロポーズなど、その気がなければとてもできない。
とはいえ、もし何も知らなければ、ある日突然別れが訪れていたことになるので、その点は冥王に感謝するべきだろう。
「そうなると、向こうに行くまでに、もっと楽しい思い出を作らないといけないわね。冥王の話が本当なら、これからもトラブルに見舞われるわけだし」
フィルマが大きく手を叩いて提案し、場の雰囲気を変えた。
そういえば、こちらに来てから純粋に娯楽を楽しんだことなど、数えるくらいしかなかった――と、シンが思い返していると、ミルトから【心話】が飛んできた。
『シンさん、愛されてるねぇ』
『コノヤロー、ちょっと離れた位置から楽しんでやがるな』
ミルトは少し遠くから騒がしい面々を眺めていた。
【心話】で話しているので見た目には静かだが、シンの耳に届く音なき声は、フィルマたちと同じくらい騒がしい。
『いやー、僕はシンさんと同じで強制送還だからねー。離れ離れになる心配はないし。あ、向こうに戻る前に、連絡先教えてね!』
連絡先を教えておかないと、向こうで連絡が取れないというところはその通りなので、あとで教えると約束する。
「ほら、シンとミルトちゃんも、眺めてないで話し合いに参加する!」
仕切っているのはフィルマだ。せっかくなので、娯楽目的の旅をするのはどうだろうかと、皆に提案している。
とはいえ、この世界では国から国へといった長距離の移動に危険が伴うため、娯楽目的の旅行は盛んではない。したがって、観光地や行楽地、娯楽施設の情報はあまり出回っていない。
フィルマ自身は長く眠っていたこともあって、『栄華の落日』後の世界について詳しくないので、シュニーとシュバイドに話が振られた。
「観光や娯楽に力を入れている国でしたら、いくつか良さそうな場所があります。シュバイドはどうですか?」
「我も少しは心当たりがあるが、目的が曖昧すぎるな。もう少し何を楽しむか絞った方がよかろう」
シュバイドも乗り気だ。元竜王という立場もあって、他国の情報にも詳しいのだろう。そして、世界を飛び回っていたシュニーについては、言うまでもない。
「ミルトはどうなんだ?」
「おすすめできるような場所かぁ。少しは知ってるけど、又聞きの情報が多いから、自信を持ってすすめられる場所は、ぱっと思いつかないかな」
観光業を目玉にしている国もあるようで、そのあたりを候補に考えようと話が進む。
そんな中、シンは誰かが自分の袖を引っ張っているのに気がついた。
振り向くと、ティエラがそばまで来ていた。
「どうかしたのか?」
エルフの集落――園と、月の祠で長く過ごしていたティエラは、シュニーたちのように他国の情報に疎い部分がまだ多い。そのため、話に加わりにくいのかとシンは思ったが、そうではなかったようだ。ティエラが遠慮がちに切り出す。
「この雰囲気だと言いにくいんだけど、亡霊平原の調査の件、ギルドへの報告はどうするの? 何も言わないのもどうかと思うし、かといって正直に伝えるわけにもいかないでしょ」
「そうだな……特定の条件下で出現するダンジョンの影響ってことにするか」
イベント用のダンジョンに冥王の力も加わっておかしなことになっていた、というのが真相だが、それを正直に言っても信じてもらえるか怪しい。
Aランクのシンの言葉なら、まるっきりのでまかせとは思われないだろうが、証拠になるようなアイテムがあるわけでもない。
「冥王が眠りについたらモンスターの発生も以前と同じになるはずだし、それを確かめてから、もっともらしいストーリーを考えるかな」
もともとモンスターの発生していたエリアだ。人も滅多に近づかない。元の通り、隔離に近い状態にしておけば問題はない。
「とはいえ、念のため何泊かしてか様子を見る必要はあるか」
モンスターの発生頻度については、冥王の推測が根拠だ。本当にそうなるか、確かめておいた方がいいとシンは判断した。
「そうね。その方がいいと思うわ」
「ティエラ……顔色がよくないぞ」
リビングに集まった時よりも、元気がない。
「あんな話を聞かされたら、いつも通りにはふるまえないわよ」
フィルマに関しては本人の性格の影響もあるだろうが、この場にいる面々は、良くも悪くも出会いと別れを繰り返してきた。
皆、シンやシュニーとの別れを悪いものとは思っていないのが伝わってくる。
しかし、ティエラはそういった割り切りがすぐにできないようだった。
「悪いな。もう少しましな伝え方もあったのかもしれないけど、俺には思いつかなかった」
「シンが悪いわけじゃないわ。私が受け止め切れていないだけ」
どちらかといえば、ティエラの方が正常な反応だとシンは思う。むしろフィルマたちは、いろいろと切り替えが早すぎるのだ。
「ごめん。もう少し休むわ」
「あ、じゃあ私もそうしようかしら」
リビングの出口に向かうティエラを追って、セティが動いた。彼女はシンたちに向けて、任せてというように小さくうなずく。フォローに回ってくれたようだ。
フィルマたちもそれを察していたようで、無言でうなずき返している。
ティエラが見えなくなったところで、ミルトがシンに声をかけた。
「さすがにショックだったみたいだね」
「今は落ち着いてるけど、俺たちだって驚きの内容だったからな」
「理由はそれだけじゃないだろうけど、ね」
「言うな」
ね、の部分を強調しながら見つめてくるミルトに、シンは顔をしかめながら応えた。
これまで行動を共にしてきたティエラの内心を察せられないほど、シンも鈍感ではない。
ユズハに乙女心がわかっていないと怒られたばかりなので、少し自信はなかったが。
「フォローはセティさんに任せるしかないかな」
「そういえば、ミルトもたまにセティと話してるよな」
ミルトがティエラ以外とも交流を持つようになったのは、割と最近だ。
「今のパーティだと、僕とセティさんがダントツで小柄だからね。気持ちがわかるというか。ハイピクシー同士で話が合いやすいっていうのもあるし」
この世界の平均身長がどのくらいか、シンにはわからなかったが、それでもパーティメンバーは全体的に長身だ。それぞれの種族ごとに見ても、シンとシュバイドの男性陣、シュニーやフィルマといった女性陣はいずれも同族の中では背の高い部類になる。
シンの感覚では、ティエラぐらいが普通だ。ただ、長命なエルフであるティエラはまだ成長期なので、これからもっと伸びる可能性がある。
だが、ミルトとセティは違う。ミルトはリアルの体格を反映しているらしいのでこれ以上伸びないし、セティもシンが今の身長で設定してしまったので、恐らくこれ以上成長しない。
『ほんとに、サポートキャラクターだったころの面影なんて、見た目だけだね』
ミルトは唐突に口頭での会話から【心話】に切り替えた。
他のメンバーには聞かせられない話だろうかと、シンは何でもない風を装って、視線だけフィルマたちの話し合いに向けながら応える。
『どうした、急に』
『僕は今までサポートキャラクターと話す機会ってほとんどなかったからさ。こっちの人――現地人とでも言えばいいのかな。その違いを頭ではわかってたけど、無意識のうちにゲームのイメージに引っ張られてた。どこか違うんじゃないかって。でも、話せば話すほど、人だなぁって』
ミルトとシュニーたちとはこちらで再会した時にも行動を共にしていたが、短い時間で、あまり会話もなかった。しかし、今回は違う。長く一緒に過ごしたことで、見えていなかったものが見えるようになった気がすると、ミルトは言った。
シンはこの世界に来てからさほど時間が経っていないうちにシュニーと再会していたせいか、ミルトの言うゲームのイメージはほとんどない。
ゲーム時にNPC――プレイヤーの操作していないキャラクター――として扱われていたという意味では、現地人もサポートキャラクターも一緒だ。
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