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カタログスペックに気をつけろ2
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高見:「先日2ちゃんねるの書き込みで大陸打通作戦で3000kmものエアカバーを提供できた日本機はすごい!航続距離(あし)の短いドイツには真似できまい。なんていう日本礼賛文をみたんだが……」
梁川:「それで当初の戦国記事を変更して続編を書こうと。」
高見:「うむ、もちろん信者には何を言っても通じないんだが、現実を直視することが英霊の心にかなうとオレは思うし、また、歴史の醍醐味も事実に基く推論の構築にこそあると思うのでひとつ私の所見を披露させて頂こうと思ってね」
梁川:「まあ、信者は実際すごいよね。孔明信者とか土方信者とか大和信者とか。好き嫌いの次元を超えて信仰なんだから」
高見:「それ自体は個人の自由だし、かまわないとは思う。しかし、そうでない歴史ファンの人には現実を知って欲しい。先に挙げた大陸打通作戦の人もさることながら、バトルオブブリテンに零戦があれば、なんて人は意外に多いんだけど……」
梁川:「檜山良昭の小説か新谷かおるのマンガでもやってたな、それ」
高見:「そもそもバトルオブブリテンが英国存亡を賭けた戦いだったなんてのはチャーチルの誇大宣伝以外の何者でもないんだ。たかが4,5ケ月の短い作戦期間で、千数百機程度の損害しかないんだから」
梁川:「日本なんかソロモンで8000機も喪失してるからなあ。」
高見:「さすがにそれは比較対象がひどいので別の例を挙げると……ドイツはポーランド戦で1ケ月の間に600機の損害を出している。」
梁川:「しかも爆撃機だって2トンしか積めないH111と1.5トンのJu88なんだから効果は甚だ疑問なんだよね。」
高見:「ランカスター(8.2トン)やB17(4トン)の爆撃を受けても、ドイツの継戦能力を奪うことはできなかった。もちろん被害はあるんだけど。ドイツはむしろ制空権を奪われたことにより陸軍の作戦能力を限定され、地上戦で大被害を重ねたこと。ヤーボに鉄道や橋などの輸送動脈を破壊されたこと。多正面作戦を余儀なくされ国家経済を消耗しつくしたこと。などのほうが敗因だろう。戦略爆撃の効果を疑うわけではないけど致命傷には程遠い、せいぜいボディーブロー程度のものだった。それがどうして戦争そのものの行方を左右したことになっとるのか、イギリス人の自慢話はこれだから恐ろしい」
梁川:「日本海軍もそうだけど、イギリスの宣伝も実にまことしやかでついだまされてしまいがち。旧ソ連のようにあからさまでないぶん妙な説得力があるんだよね」
高見:「まあ大陸打通に話を戻すけど……日本機の航続距離が長いのは基地をもてないことの裏返しでもあるんだな。ヨーロッパならアウトバーンでもそのへんの草原でも臨時の滑走路になりえたし、基地設営も比較的短期間で終わったけど、日本は主戦場である南方は密林に覆われてるは機械力に頼れず人力でやってるはで迅速な基地展開なんて夢のまた夢だった。だからマレー侵攻にエアカバーが全然追いつかなくて隼なんてダメダメ戦闘機が制式化されちゃう。あれは97戦の航続距離じゃエアカバーがおいつかないんで、本来制式化を見送るはずの失敗作を急遽採用してるんだよね」
梁川:「隼は武装・速力・航続距離の全てが零戦に負けてるんだから誉めどころはないよね。主翼の強度不足で武装も強化できないし。でもそうするとなんで終戦まで生産され続けていたのか不思議だよなあ」
高見:「地上銃撃も対爆撃戦闘もロクにできない隼になんの未練があったのかというと……これは推測なんだけど、操作性が良かったんじゃないかな。あと整備しやすかったとか。鍾馗や飛燕に比べて操縦しやすくパイロットも練成しやすかった……とでも考えないと理屈に合わない。まあ飛燕より整備しにくい戦闘機なんてどこにもなかったろうけど」
梁川:「だからって戦闘に勝てるわけではないんだけど、貧乏国日本としては訓練や整備不良で機体を失うのを極端に嫌った可能性はあるよね」
高見:「まさに日本機の航続距離が長いのも、その貧乏だから、の一言に尽きる。要するに正面からなぐりあって消耗しちゃったら負けなんだ。だから空母を安全圏においてアウトレンジしようという発想が生まれ、中攻の雷撃で艦隊を漸減しようとする発想が生まれた。でも、当時の日本の科学力では航続力と防御力を高いレベルで両立することができなかった。その象徴が翼内タンク」
梁川:「うん、翼内タンクは日本だけの発想だったね。」
高見:「ヨーロッパの設計者は第一次大戦の戦訓があったから防御力には非常に気を使っていた。、それこそハエのように火を噴いて堕ちてゆく戦闘機を見ていたから翼内タンクという考え方そのものを拒否した。通常に考えて致命的な受弾部というのはコクピット・エンジン・タンクなわけだから、これを後部上方から俯瞰してみるといい。翼内をタンクとした場合、致命的受弾部の面積は5~6倍にはねあがるんだよ。しかも燃料が満タンのときはともかく、タンクを半分費消されているところへ穴があき、火花が飛ぶと必ず気化ガスが爆発してしまう。脱出のヒマなんてありゃしない。これは装甲板や防弾ゴムとかいう問題じゃない構造上の問題なんだ。しかし、空母数も陸上航空基地も手持ちが限られてしまう日本は航続距離を伸ばさざるを得なかった、そうでなければ海軍は艦隊決戦をあきらめて基地航空隊と魚雷艇を中心とした水雷戦隊と潜水艦隊・船団護衛部隊だけに改変する必要があった。もちろん戦争そのものを回避するという選択肢もあったわけだが」
梁川:「う~ん、あまりに絶望的な状況に言葉もありません」
高見:「それでも戦いようはあった、と思う。それは太平洋戦争初期の日本軍の赫々たる戦果が証明している。ところが日本は上にいくほど無能というていたらくだった。」
梁川:「それは統帥権条項もさることながら、監視機関の整備不良が原因だと思うね」
高見:「ソ連では政治将校、アメリカでは州兵やCIA、イギリスでは貴族、ドイツでは親衛隊、というように各国は武力を伴う対抗勢力を用意して互いに監視させていた。日本だけが国内武力の分散を図らず、しかも文民統制の埒外においていた。軍部に暴走するな、というのが無理な相談だよ。野党のいない与党が腐敗するのと一緒で責任をとる必要のない官僚機関も腐敗すると決まっているんだ」
梁川:「歴史を変えるには山形有朋に死んでもらって、大村益次郎に生き残ってもらう必要があるね。あるいは山本権兵衛にしんでもらうか」
高見:「とはいえ太平洋戦争に限っていえば海軍の責任は重い。にもかかわらずむしろ陸軍が悪役にされがちであるのは戦後の宣伝戦略の差だと思う。そもそも源田実が航空自衛隊に影響力を持ったのに対し、陸軍参謀グループは徹底的に排除されてしまった理由がわからない。太平洋戦争は間違いなく海軍が始めた戦争だったのに東条英機をはじめとする陸軍が戦犯として処分されているのは海軍が責任逃れに終始したのに対し、陸軍が責任を受容したからだ。もちろん陸軍もかなりおバカの集まりなのだが海軍は責任を回避しておいていけしゃあしゃあとクリーンな海軍のイメージ宣伝をしてるんだから始末に負えない。今度機会があったら、海軍の罪とイメージの嘘について取り上げたいと思います」
梁川:「それで当初の戦国記事を変更して続編を書こうと。」
高見:「うむ、もちろん信者には何を言っても通じないんだが、現実を直視することが英霊の心にかなうとオレは思うし、また、歴史の醍醐味も事実に基く推論の構築にこそあると思うのでひとつ私の所見を披露させて頂こうと思ってね」
梁川:「まあ、信者は実際すごいよね。孔明信者とか土方信者とか大和信者とか。好き嫌いの次元を超えて信仰なんだから」
高見:「それ自体は個人の自由だし、かまわないとは思う。しかし、そうでない歴史ファンの人には現実を知って欲しい。先に挙げた大陸打通作戦の人もさることながら、バトルオブブリテンに零戦があれば、なんて人は意外に多いんだけど……」
梁川:「檜山良昭の小説か新谷かおるのマンガでもやってたな、それ」
高見:「そもそもバトルオブブリテンが英国存亡を賭けた戦いだったなんてのはチャーチルの誇大宣伝以外の何者でもないんだ。たかが4,5ケ月の短い作戦期間で、千数百機程度の損害しかないんだから」
梁川:「日本なんかソロモンで8000機も喪失してるからなあ。」
高見:「さすがにそれは比較対象がひどいので別の例を挙げると……ドイツはポーランド戦で1ケ月の間に600機の損害を出している。」
梁川:「しかも爆撃機だって2トンしか積めないH111と1.5トンのJu88なんだから効果は甚だ疑問なんだよね。」
高見:「ランカスター(8.2トン)やB17(4トン)の爆撃を受けても、ドイツの継戦能力を奪うことはできなかった。もちろん被害はあるんだけど。ドイツはむしろ制空権を奪われたことにより陸軍の作戦能力を限定され、地上戦で大被害を重ねたこと。ヤーボに鉄道や橋などの輸送動脈を破壊されたこと。多正面作戦を余儀なくされ国家経済を消耗しつくしたこと。などのほうが敗因だろう。戦略爆撃の効果を疑うわけではないけど致命傷には程遠い、せいぜいボディーブロー程度のものだった。それがどうして戦争そのものの行方を左右したことになっとるのか、イギリス人の自慢話はこれだから恐ろしい」
梁川:「日本海軍もそうだけど、イギリスの宣伝も実にまことしやかでついだまされてしまいがち。旧ソ連のようにあからさまでないぶん妙な説得力があるんだよね」
高見:「まあ大陸打通に話を戻すけど……日本機の航続距離が長いのは基地をもてないことの裏返しでもあるんだな。ヨーロッパならアウトバーンでもそのへんの草原でも臨時の滑走路になりえたし、基地設営も比較的短期間で終わったけど、日本は主戦場である南方は密林に覆われてるは機械力に頼れず人力でやってるはで迅速な基地展開なんて夢のまた夢だった。だからマレー侵攻にエアカバーが全然追いつかなくて隼なんてダメダメ戦闘機が制式化されちゃう。あれは97戦の航続距離じゃエアカバーがおいつかないんで、本来制式化を見送るはずの失敗作を急遽採用してるんだよね」
梁川:「隼は武装・速力・航続距離の全てが零戦に負けてるんだから誉めどころはないよね。主翼の強度不足で武装も強化できないし。でもそうするとなんで終戦まで生産され続けていたのか不思議だよなあ」
高見:「地上銃撃も対爆撃戦闘もロクにできない隼になんの未練があったのかというと……これは推測なんだけど、操作性が良かったんじゃないかな。あと整備しやすかったとか。鍾馗や飛燕に比べて操縦しやすくパイロットも練成しやすかった……とでも考えないと理屈に合わない。まあ飛燕より整備しにくい戦闘機なんてどこにもなかったろうけど」
梁川:「だからって戦闘に勝てるわけではないんだけど、貧乏国日本としては訓練や整備不良で機体を失うのを極端に嫌った可能性はあるよね」
高見:「まさに日本機の航続距離が長いのも、その貧乏だから、の一言に尽きる。要するに正面からなぐりあって消耗しちゃったら負けなんだ。だから空母を安全圏においてアウトレンジしようという発想が生まれ、中攻の雷撃で艦隊を漸減しようとする発想が生まれた。でも、当時の日本の科学力では航続力と防御力を高いレベルで両立することができなかった。その象徴が翼内タンク」
梁川:「うん、翼内タンクは日本だけの発想だったね。」
高見:「ヨーロッパの設計者は第一次大戦の戦訓があったから防御力には非常に気を使っていた。、それこそハエのように火を噴いて堕ちてゆく戦闘機を見ていたから翼内タンクという考え方そのものを拒否した。通常に考えて致命的な受弾部というのはコクピット・エンジン・タンクなわけだから、これを後部上方から俯瞰してみるといい。翼内をタンクとした場合、致命的受弾部の面積は5~6倍にはねあがるんだよ。しかも燃料が満タンのときはともかく、タンクを半分費消されているところへ穴があき、火花が飛ぶと必ず気化ガスが爆発してしまう。脱出のヒマなんてありゃしない。これは装甲板や防弾ゴムとかいう問題じゃない構造上の問題なんだ。しかし、空母数も陸上航空基地も手持ちが限られてしまう日本は航続距離を伸ばさざるを得なかった、そうでなければ海軍は艦隊決戦をあきらめて基地航空隊と魚雷艇を中心とした水雷戦隊と潜水艦隊・船団護衛部隊だけに改変する必要があった。もちろん戦争そのものを回避するという選択肢もあったわけだが」
梁川:「う~ん、あまりに絶望的な状況に言葉もありません」
高見:「それでも戦いようはあった、と思う。それは太平洋戦争初期の日本軍の赫々たる戦果が証明している。ところが日本は上にいくほど無能というていたらくだった。」
梁川:「それは統帥権条項もさることながら、監視機関の整備不良が原因だと思うね」
高見:「ソ連では政治将校、アメリカでは州兵やCIA、イギリスでは貴族、ドイツでは親衛隊、というように各国は武力を伴う対抗勢力を用意して互いに監視させていた。日本だけが国内武力の分散を図らず、しかも文民統制の埒外においていた。軍部に暴走するな、というのが無理な相談だよ。野党のいない与党が腐敗するのと一緒で責任をとる必要のない官僚機関も腐敗すると決まっているんだ」
梁川:「歴史を変えるには山形有朋に死んでもらって、大村益次郎に生き残ってもらう必要があるね。あるいは山本権兵衛にしんでもらうか」
高見:「とはいえ太平洋戦争に限っていえば海軍の責任は重い。にもかかわらずむしろ陸軍が悪役にされがちであるのは戦後の宣伝戦略の差だと思う。そもそも源田実が航空自衛隊に影響力を持ったのに対し、陸軍参謀グループは徹底的に排除されてしまった理由がわからない。太平洋戦争は間違いなく海軍が始めた戦争だったのに東条英機をはじめとする陸軍が戦犯として処分されているのは海軍が責任逃れに終始したのに対し、陸軍が責任を受容したからだ。もちろん陸軍もかなりおバカの集まりなのだが海軍は責任を回避しておいていけしゃあしゃあとクリーンな海軍のイメージ宣伝をしてるんだから始末に負えない。今度機会があったら、海軍の罪とイメージの嘘について取り上げたいと思います」
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