君がいたから、君がいるから
――知的障害をもつ息子とともに
CHECK!!
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書店さんPickUP!
平坂書房MORES店は京急横須賀中央駅モアーズシティ7階にある書店さん。他ではなかなかお目にかかれない珍しい本も棚に並んでいて、高額な専門書から軽い読物まで、こだわりの棚作りをされています。
「どんな本にも必ず求める読者がいる」
という店次長の疋田(ひきた)さん。
流行廃りに左右されないメッセージを秘めた本を多くの人に読んで欲しいと、毎回、ご自身のお奨め本を選んで、長期間、展示されております。
その疋田さんが選んで下さった一冊が「君がいたから、君がいるから」。障害を持つお子さんとご家族の気持ちを伝えていければと長期に渡り展示して頂き、着実に売れているとの事です。
「障害とは関係なく一般の人に読んで欲しい1冊です」
と疋田さんは仰います。
本当に有難うございます。
(2005年9月/タケ)
→平坂書房ホームページ
*現在は写真の陳列と
異なるかもしれません。
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増刷!
売れ行き好調! 2刷りとなりました。 -
新聞に紹介!
愛媛新聞(11/30付)、読売新聞愛媛版(12/2付)に紹介されました。 -
目次
一章 我が子が障害児に
何が起きたの?
死ぬか障害児になるか
僕は生きたいんだ!
何があってもこの子を育てていく
心身障害児施設── なぜこんな場所にいるの?
この子と一緒に死んでしまおうか
稔樹が奇跡を起こした!
二章 心身障害児通園施設へ入園
障害を治すという思い込み
特別児童扶養手当── 障害児のレッテルを貼られる?
そんな自分を責めないで
三章 親子三人の二人三脚
怯える息子と健常児
外におびき出す作戦
この子のペースに合わせて
離婚──この子たちを守れるのは、私しかいない
ママ、泣かないで
保育園入園──実らない努力はない
お遊戯会──保護者からの陰口
卒園式──違っていてもいいんだ
四章 新しい家族の暮らし
父親のいない心細さ
稔樹が笑った
「パパ!」
再婚──子どもたちの笑顔
五章 障害児に定められた道
普通学級か特殊学級か
小学校入学
間違いなんかじゃない!
普通学級に求めたこと
特殊学級在籍で変わった稔樹
普通学級へ再転籍── 養護学校での寮生活を視野に
六章 てんかんとの新たな戦い
どうしちゃったの?
泣いていてもはじまらない
防波堤
七章 障害児の母として
どんな子どもにも過ごしやすい学校環境を
療育手帳──重度の知的障害
言葉の教室の開設を求めて
障害児へのいじめ
黙っていれば健常児
障害児の性教育
八章 腕の中で変わり果てた愛娘
やっとの思いで生まれたのに
やったよ!今度こそ抱かせてあげる!
流産を乗り越えて手にした喜び
お腹の子は奇形児
私を殺して!
生まれても死んでしまう子を産む意味
小さな小さな骨壷
稔樹の障害を心から受け入れられた──娘の死から
九章 姉・兄・弟
もう一度だけ── 不妊治療を乗り越えて 気持ちに余裕が持てない
梨奈が稔樹を受け入れるまで
お兄ちゃんになったよ
弟が兄を追い越すとき
母の願い
十章 君がいたから、君がいるから
パパとの今だから
梨奈との今だから
楓冴との今だから
稔樹との今だから
君がいたから、君がいるから
あとがき
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裏表紙より
私には障害のある弟がいます。
生まれてすぐに呼吸が出来なくなって、
脳細胞がほとんど死んでしまいました。病院の先生から、
「死ぬか、助かっても寝たきりになる。」言われてしまいました。
でも弟は奇跡を起こして生き抜き、寝たきりにもなりませんでした。
でも、喋ることや、皆と同じ勉強は出来ません。
私はそんな弟がイヤな時がありました。
私の弟だと、友達に知られるのがイヤでした。
家でも、お父さんもお母さんも弟の世話ばかりで、寂しかったです。
だから私は弟がキライでした。
でも、弟は、 「好きで喋れなくなったんじゃないんだ。」と、
いうことに気付きました。
あの時、弟が頑張って生きてくれなかったら、
今、私の側にはいないんだ、と思うと寂しいです。
弟がいなかったらイヤだ!と思うようになりました。
弟は喋れないことでいじめられることがよくあります。
私は一度、弟を助けたら仕返しをされた事がありました。
その時はとても怖くてたくさん泣きました。
でも、お父さんとお母さんは
「梨奈がした事は、まちがっていない。としをかばって梨奈が
仕返しをされた時は、お父さんとお母さんが絶対に守ってあげる。
だから堂々としていなさい。」と、言いました。
それまで弟にお母さん達を取られていたように
思っていたけど、ちゃんと私の事も
大切にしてくれているんだなと思いました。
だから仕返しなんて怖くない !
弟をいじめる人は許せない!と、思うようになりました。
私は弟のおかげでたくさんの事を教えてもらい、
いろんな障害者の人に出会う事ができました。
障害者の人を見ていると元気や勇気が出ます。
障害者を見ても、驚くことはないけれど、
近くに障害者がいない人は障害者を見ると、驚いた顔をします。
でも私はそれがおかしいと思います。
私のお父さんとお母さんはよく、
「自分がされてイヤな事は人にはするな!」と、言います。
それは、皆も同じだと思います。
この間、買い物に行った時に、障害者用の駐車スペースに
健常者の人が車を停めていました。
そこは車イスの人達が使う場所なのに、平気な顔で止めていました。
どうしてそこに止めるんだろうと、悲しい気持ちになりました。
車イスの人は、そこの駐車場がないと、車からおりられません。
もっと障害者の人の事を考えてほしいと思います。
弟がいなかったら、そんなことも知らなかったと思います。
弟がいなかったら障害者の人の気持ちも分からなかったと思います。
弟のおかげでたくさんの事を教えてもらいました。
今では自慢の弟です。弟の事が大好きです。
弟に負けないように、私もがんばりたいです。
松浦梨奈
(人権作文より、一部抜粋)