第8回絵本・児童書大賞

第8回絵本・児童書大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「野良のノラが教えてくれたこと」「ひいひいおじいちゃんのノート」「旧図書館のマジカル・フレンズ」「マーカスの秘密研究所」「なんでもねずみくん」「のらねこのものがたり」「あしのはえたさかな」「みかんは いくつ あるのかな?」の8作品。

選考の結果、いずれもそのまま出版化するのは難しいと考え、編集部内で支持の高かった「ひいひいおじいちゃんのノート」「あしのはえたさかな」の2作を特別賞に選出することとした。

「ひいひいおじいちゃんのノート」は、主人公の少年と、若き日のひいひいおじいちゃんとの交流がうまく描かれた作品だった。少年の成長や二人をつなぐ不思議なノートなど、読ませる要素も多く、また、いじめ問題が教訓めいたものではなく自然に描かれているところにも好感が持てた。物語の主軸にいじめ以外の要素が加わると、より魅力的な作品になるだろう。

「あしのはえたさかな」は、さかなにあしがはえる、というユニークな設定がうまくいかされた作品だった。恐竜やくじらといった、子どもに好まれる生き物への変身は、幼児に魅力的な内容だろう。ストーリーも、幼児向けの絵本としてわくわくするものに仕上がっていたといえる。絵によりインパクトがあれば、さらに目をひく作品になると感じた。

また受賞には至らなかったが、「野良のノラが教えてくれたこと」は、絵の美しさとストーリーの完成度への評価が高かった。ただ、内容が大人向けで、ニーズをつかむのは難しいという意見も多く出た。

「マーカスの秘密研究所」はいかにも児童文学らしい雰囲気が漂い、また文章力が非常に高い作品だった。日本を舞台にしたほうがより親しみをもてる作品になったのではないだろうか。

「みかんは いくつ あるのかな?」をはじめとする同著者の作品は、低年齢向け絵本として評価を集めた。それぞれのストーリーに傑出した要素があると、より支持される作品になるだろう。

応募総数 151作品 開催期間 2015年08月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。病に苦しむ少女を、心優しい人形が懸命に看病する様子が、丁寧な文章で描かれた作品でした。心情描写も細やかで読後感のよい作品に、多くの読者がひかれたのではないかと思います。


編集部より

さかなにあしがはえる、という設定のユニークさが、編集部内で高い評価を集めました。また、恐竜やくじらといった子どもに好まれる生き物への変身は、幼児向け絵本として楽しい要素だと思います。わくわくするストーリー展開も、とても魅力的でした。


編集部より

少年時代のひいひいおじいちゃんと不思議なノートで文通する設定が、編集部内で高く評価されました。主人公の少年が悩みながらも成長する姿が丁寧に描かれた、非常にまとまりのよい作品といえるでしょう。また、いじめ問題の解決も自然に描かれていて、好感が持てました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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